沖で待つ

部屋をごそごそしてたら文春を発見。
彼女が技官の先生から貰って読み終わったやつだ。
早速追随して今回の芥川賞を読んだ。


さぼてんの会話曰く、

そう、
多分これは
設定勝ちの作品なんだ。

って評していたけれど、
まさにそうなんだろう。


「総合職」の女性と、
同僚の「HDD」。
インストールが流行ったから
パソコン第一世代の感覚を賞してみた
みたいな。
文体は、ブログ的である。


その他にはあまり深く考えたことはなかったが、
冒頭のシーンがあって、長い回想を迎えて、
そいでまた話が現在に戻ってきたときの、
「しゃっくり」の生々しさというか、
リアリティを凄く感じた。


あとはまぁ、
新社会人として
及川と太っちゃんの関係を
興味深く読んでいたくらいかなぁ。

福岡に慣れてくると、だんだん学生時代の友達とは話が合わなくなってきました。

学生のときに一緒に感じていたものって、なんだったんだろう、考えてもあまり思い出せなくなりました。世界が狭いようですが心置きなく話せるのは、やっぱり会社の人でした。

「札幌なら転勤してもいいな。食いもんうまそうだ」
太っちゃんはまだ言っていました。
「じゃあ、次は札幌で会おうよ」
そう言って私たちは別れました。飛行機に乗った瞬間、取り返しのつかない一歩を踏み出してしまったような気がして、胸が苦しくなりました。

「同期って、不思議だよね」
「え」
「いつ会っても楽しいじゃん」
「俺も楽しいよ」


そういうものかねー。